まあこのようなことが再々あると思ってはなりません。すべてのオーダーにこんな対応しているとは考えにくいのです。ま、少なくともワシには無理(-_-)

W社にウェアをお願いし始めたのは５年ぐらい前でしょうかね〜

今も変わりませんが、納期はデザイン確定から60日ということになっておって、たしか最初のオーダーはぎりぎり那賀川CRに間に合わなかったと記憶しています。

もちろん春先から初夏にかけては生産が立て込むことは容易に想像がつくわけでして、いつだったか一度は納期遅延のお詫びというご連絡をいただいたこともあります。

長い前振りでした。すまんな。

そんな３月下旬のある日、けんchanが弊社にやってきて、「CHULLっさん、うちのぺんのジャージをなんとか5/29の那賀川CRに間に合わしたってください。金に糸目はつけん、たのんます！」と座り込んだのだった。前にも聞いたことがあるような気がしたのだが、それはそれとして今回もデザイン画ができるまでけんchanはその場を動く気配など微塵もないのだった。

そして私はまた、愛に負けた。ただしいくらなんでも「にし阿波(5/15)」には間に合いませんよ、というとこは聞いてもらうのだった。

とりいそぎW社に直接連絡を取り、これこれこうこうでこんなことなんで5/29になんとか、と説明をすると、本案件ご担当のMさんは意外にも快く受けてくださった。今思うと、これが神対応のフラグであった。

で、この時点で通常考えられる納期ぎりぎりの進行なんで、こちらもデザインデータを完成形でお渡ししますので、サンプルも拝見したらすぐお返事をするようにしますので、みたいなやりとりを経てとにかく進行させる。タイトなスケジュールの中で、こちらがどこかでつまづくことはなんとしても避けたい。

が、ふと気づけば用意したデザイン用のテンプレートは男性用なんであって、実は今回は全着がレディスライン。けどオンナモンの型紙はなかったよなあ？はああああああぁあ！？と３秒ほど固まる私。しかしここもMさんは事もなげにひょいひょいっと(見てないけど)光速でアレンジしてくださった。日に日にやっておられるとは言え、まさに神業。

そして実によどみなく、正式な発注にこぎつけたのだった。よ、よろしくお願いいたします。

あとはほしたらまあ待っとこか〜〜(というか、もうなんかできる訳でもないしな)、5/28到着でも持って走ったら間に合うわ〜〜最悪けんchanが走るだろと放置していたGW明け、けだるい昼下がりに「できましたので送ります」とメールが届いているではありませんか。なんじゃこりゃ。

私の心に不安がよぎる。えーぷるるふーる(？？)いやひょっとして誰かが

はよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよして〜〜〜

などと無理なお願いを直接やってもたんか、いやまさかほななことはいやしかしでも

と、とりあえずお礼の電話をW社にかける。こんな早く仕上げていただいてなんとお礼を申し上げたらよいのやら。

そうするとMさんはにっこりと(電話やけん見えんけどな)

「出来上がりを楽しみにしてくださっているご様子をブログで拝見しまして、にし阿波に着ていただけたら嬉しいなと思いまして」

私はまた負けた。いや、勝とうとか思っていませんが、これをエクセレントサービスと呼ばずしてなんと呼ぶ。見られては恥ずかしいような盛り上がりようを、実は微笑ましくきちんとチェックされていたのでした。ものづくりに関わる者として、頭が下がりっぱなしです。まったく勉強させていただきました。

かくしてジャージはしかるべきところへ納められ、にし阿波をたぶん颯爽と駆け抜けたのだった。

しかしそれにしても例えばすべての注文者が

はよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよしてはよして〜〜〜

などとオネガイをしまくったらW社の皆さんは大変困ると思います。よいこの皆さんは無理を言ってはいかん。我々は今回たまたま運が良かったので、次もこんな素敵なことが自動的に起きるとは思わない方がたぶんイイ。宝くじが当たったに等しい幸運。

ただ、制作の現場にいるものとしては、こんな風にちょっと特別に扱ってくれることがどれだけすごいことかよくわかっているつもりなので、もう本当に、よくしていただいてありがとうございました、と言うほかないのでした。もしこれが特別でないとしたらマジネ申な件。いやほんまスバラシイ。

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